
「産業機械」とは、分かりやすくいえば工場の生産ラインで使用される機械の総称です。一般の生活で目にすることはほぼありませんが、さまざまな商品の生産に欠かせない存在であり、その意味では私たちの日々の生活に深く関わっているといえます。
では、その産業機械の発注・購入はどのように行われているのでしょうか。生産ラインの設計・運用に携わる方向けに解説いたします。
産業機械とは
最初に述べたように、産業機械とは大まかにいうと産業の分野で使われる機械のことです。プレス機や圧縮機、産業用ロボットから発電機・ポンプ・タービンからコンベアに至るまでを含む非常に幅広い概念であり、明確な定義は困難です。
一般社団法人日本産業機械工業会が70周年記念で発行した小冊子では、「さまざまな産業や社会の現場において、人の作業を補助、代行し、人にとって苦痛、困難、不可能な作業や環境を克服するもの」とされています。
産業機械は、様々な産業や社会の現場において、人の作業を補助、代行し、人にとって苦痛、困難、不可能な作業や環境を克服するものとして不可欠な存在です。
箱詰め自動化でお困りでしたら、ぜひ一度、JRCまでお問い合わせください。
工作機械との違い
産業機械と混同されやすい単語として、「工作機械」があります。
工作機械も生産に関わる機械ですが、機械の一部や組み立てに必要な部品を加工するための機械を指す用語です。金属やプラスチックから機械や商品の生産に不可欠な部品を加工します。工作機械の例としては、旋盤やボール盤などが挙げられます。
産業機械の分野にはさまざまな機械が含まれるため、広い意味で捉えるならば工作機械も産業機械の1種といってよいでしょう。
産業機械の種類
産業機械は、その働きによっていくつかの分野に分けられます。
ここでは、産業機械の種類とその働きや代表例を表にまとめます。
| 対象 | 説明 |
|---|---|
| 製造機器 | 工場で製品の製造に関わる機械。 プレス機や半導体製造装置に加え、産業用ロボットも製造機器の1種とされる。 |
| 工作機械 | 金属やプラスチック、樹脂などを目的に合わせた形状に加工する機械のこと。 |
| ボイラーや原動機 | ボイラーは燃料を燃やして水を加熱し、温水や蒸気を発生させる機械。 原動機とは、自然界のエネルギーを機械的エネルギーに変換する装置のこと。エンジンやモーター、タービンなどが原動機の例。 |
| 検査機器 | 製品の品質や、規格をクリアしているかなどを検査するための装置の こと。 カメラやセンサーなどが組み込まれている。 |
| 移載・運搬装置 | 製品や部品を、ある場所から別の場所へ移動させるための機械。 ベルトコンベアや昇降機などがこれにあたる。 |
これらの機械の組み合わせで、生産ラインは構成されています。
産業機械を発注する方法
産業機械には、工場で広く利用される汎用のものと工場やラインに合わせて専用に製造されるものがあります。汎用のものであっても、購入してそのまま設置するのではなくラインや生産物に合わせて改造するのは、ごく一般的です。
汎用の産業機械
メーカーが一般的な製品として扱っている汎用機は、メーカーのカタログやWebサイトの情報を元に購入が可能です。工作機械やボイラー・原動機などは、生産ラインの設計に合ったものを選べば、そのまま使用できるでしょう。
一方で市販品であっても、製造する商品や生産ラインによっては改造が必要なケースがあります。元々の設計に完全に合致した製品がなかったり、生産ラインの変更で使用条件が変化したりするケースなどです。
改造は購入したメーカーに依頼することもあれば、別のメーカーが製造した生産機械の改造サービスを担当しているメーカーもあります。
専用の産業機械
汎用の産業機械では対応できない作業については、産業機械のメーカーに製造を依頼することが一般的です。依頼通りの産業機械を製造してもらうためには、用途やスペックを明確にしたうえで製造を委託するメーカーとの綿密な打ち合わせが必要です。
産業機械の製造を依頼する場合、依頼する範囲によって生産形態の呼び方が異なります。機械の設計を委託側で行った場合はOEM、設計から依頼した場合はODMと呼ばれます。
OEMとは
OEMとはOriginal Equipment Manufacturingの略で、他社ブランドの製品を製造すること、また製造を請け負う企業のことを指します。
産業機械のように、頻繁に製造するわけではない機械をOEMにすることで生産コストの削減や経営リスクの削減が期待できます。生産ラインの拡充により新たな産業機械が必要になる場合でも、経験豊かなOEM企業を選ぶことで迅速で柔軟な対応が可能です。
ODMとの違い
OEMとよく似た用語として、ODMがあります。ODMとOEMの違いを、以下の表に示します。
| 用語 | 特長 |
|---|---|
| OEM | 他社ブランドの製造を請け負う企業のこと |
| ODM | 製造だけではなく企画・開発・デザインまで一括して提案を行い、請け負う体制 |
産業機械のOEM先を選ぶポイント
産業機械には高額なものが多く、OEM先の選択に失敗すると企業の経営に大きな影響を与えかねません。これから挙げるポイントを確実に押さえて、生産に最適な産業機械を製造できるOEM先を選びましょう。
希望する産業機械の製造経験があるか
産業機械を作るメーカーは数多くありますが、何度も述べたように産業機械はその種類が広いため、それぞれのメーカーごとに得意分野があります。工作機械やボイラー・原動機などの汎用機を得意とするメーカーもあれば、専用の産業機械の製造を得意とするメーカーもあります。製造を委託する産業機械が得意なメーカーを選択しましょう。
希望する産業機械の製造経験が豊富であれば、組み立てに必須な工具を揃え、高いスキルを備えた技術者の所属が期待できます。
メーカーのWebサイトを確認する、営業担当に尋ねるなどの方法で過去の実績を把握しましょう。
最新技術に対応しているか
現在、産業機械の製造はAIを含むIoTや3Dプリンターなどの最新技術の導入により、大きな変革を迎えています。
これらの最新技術により、生産プロセスの効率化や最適化に加え、生産物の品質や精度の向上が実現しています。また、生産管理や予知保全の分野においても重要な役割を果たしており、最新技術への対応は不可欠です。
産業機械のOEM先選定は、技術革新への対応はもちろん、より効率的で生産性が向上する提案をしてもらえるかがポイントです。
アフターサービスが充実しているか
産業機械は一定期間連続して動作するものがあり、さらに多くのケースで長い期間にわたって使用されます。したがって、定期的なメンテナンスとアフターサービスが欠かせません。緊急時だけではなく、日々の点検保守が産業機械を長く使い続けるカギであるためです。
産業機械のOEM先を選ぶ際は、定期的なメンテナンスとトラブル時の対応がどのようなものかが重要です。また、消耗部品の交換頻度やサポートの電話やメールの受付時間なども確認しましょう。
製造品によってはEMSという選択肢を
製造を委託する品目によっては、OEMやODMとは別に電子製品の製造に特化したEMSという選択肢があります。EMSとは、電子製品の企画・設計および製造から配送までを一貫して担うサービスのことです。OEMやODMは自社製品の生産と同時に他社製品の生産を受託しますが、EMSは自社ブランドを持たず、他社から委託された電子製品の製造のみを行う特徴があります。
委託側はOEM同様に生産コストを削減できるメリットがあり、受託側は大量生産によって効率的で低コストな生産が実現できます。
まとめ
この記事では、産業機械に関する基礎的な概念から製造を委託する形式までを解説しました。
産業機械は、生産ラインの設営に欠かせない長期間にわたって利用する機械です。汎用品や製造の委託先は慎重に選ぶ必要があります。ファクトリーオートメーションの流れに乗り遅れないために、最新技術への対応が可能なOEM先を見極めましょう。
株式会社JRC ロボットSIカンパニーは、工場に設置するロボットのパッケージをはじめ自動機のOEMやEMSに対応しています。産業機械に関してお困りのことがありましたら、お問い合わせフォームからご連絡ください。















