技術コラム

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産業用ロボットで高いシェアを誇る企業を紹介!国内・海外で有名なメーカーとは

産業用ロボットで高いシェアを誇る企業を紹介|JRC【ALFIS】

生産ラインの効率化や自動化を検討されている担当者様向けに、この記事では、産業用ロボットの主要メーカーを国内外からご紹介します。
導入検討の際に役立つ情報を提供いたしますので、是非お役立てください。

産業用ロボット世界シェアトップ4

現在、産業用ロボットの世界市場において、ファナック、ABB、安川電機、KUKAの4社が「世界4大産業用ロボットメーカー」として広く知られています。これらの企業はいずれも世界各国に拠点を持ち、多様な産業分野にロボットを供給しています。
なお、市場シェアの具体的な順位は調査機関や統計の算出方法により若干異なる場合がありますが、これら4社がトップグループであることはほぼ確実です。
ここではさらに、それぞれの企業について詳しく見ていきましょう。

ファナック株式会社(FANUC CORPORATION)

ファナック株式会社は、1972年に富士通株式会社のNC(数値制御装置)部門が独立して設立された企業です。本社は山梨県南都留郡忍野村にあり、日本をはじめ中国、米国、欧州など世界各地で事業を展開しています。産業用ロボットだけでなく、協働ロボットや「ロボドリル」と呼ばれる高性能な工作機械も製品ラインに含まれています。
2023年には、ロボット販売累計100万台を達成するという大きな節目を迎えました。

製造業においては組立や搬送、溶接など幅広い用途に対応可能で、多くの生産現場で採用されています。
安定した性能と長年の実績に裏打ちされた信頼性の高さが、ファナックの強みといえるでしょう。

ABB(ABB Ltd.)

スウェーデンのASEA(発電・制御機器)とスイスのBBC(電力・送電技術)が1988年に合併し、ABBが設立されました。本社は現在、スイスのチューリッヒにあります。
同社は、以下の4つが事業の柱となっています。

  • エレクトリフィケーション事業本部:充電インフラや低圧・高圧機器を開発・販売
  • モーション事業本部:モーターや発電機を開発・販売
  • プロセスオートメーション事業本部:産業用の制御システムや計測・分析機器を開発・販売
  • ロボティクス&ディスクリート・オートメーション事業本部:産業用ロボットを開発・販売

金属加工から自動車製造、パッケージングやパレタイジングに至るまでさまざまなロボットを扱っており、幅広い産業分野に対応する総合力が特徴です。

株式会社安川電機(YASKAWA Electric Corporation)

株式会社安川電機は1915年に電機会社として設立された老舗企業で、本社は福岡県北九州市にあります。
現在は、以下の3つを主要事業として展開しています。

  • モーションコントロール:サーボモータやインバータを開発・販売
  • システムエンジニアリング:プラント設備などの産業用システム電機品の開発・設計・生産
  • ロボット事業:産業用ロボットの開発・販売

産業用ロボット分野では、1977年に全電気式産業用ロボットを国内で初めて開発する先駆的な取り組みを行いました。製品については、溶接用、ハンドリング・組立用、バイオメディカル用、輸送・搬送用と幅広い種類のロボットを手掛けることで、多様な産業ニーズに応えています。

KUKA(クーカ)

1898年にドイツで設立された歴史ある企業であり、現在の本社はドイツのアウクスブルクにあります。設立当初は、家屋や道路に設置する照明施設を扱う会社でした。

産業用ロボット分野では、1973年に世界初の電気駆動式6軸産業用ロボットを開発しました。2016年に中国の美的グループによって買収された後も、グローバルな戦略を展開しています。

同社のロボットは剛性に優れ、動きの精度の高さで知られており、特に自動車産業や重工業分野で活用されています。
ドイツの精密工学技術を活かした高品質な製品が、同社の強みです。

【国内】主な産業用ロボットメーカー

日本国内には、高性能な産業用ロボットを開発・製造する企業が数多く存在します。
ここでは、生産現場で高く評価されている主要メーカーをご紹介します。

川崎重工業株式会社

川崎重工業は1896年に設立され、本社は東京都港区にあります。

1969年には、国産初の産業用ロボット「川崎ユニメート2000」を開発し、国内のロボット開発におけるパイオニアとしての地位を確立しました。現在でも自動車産業や製鉄業を中心に多くの製造現場で同社のロボットが活用されています。

ロボットの性能や耐久性はもちろん導入後のサポート体制も充実しており、長年にわたり安定した評価を受けています。

株式会社不二越(NACHI-FUJIKOSHI CORP.)

不二越は1928年に富山県富山市で創業し、現在の本社は東京都港区にあります。創業翌年から使われている「NACHI」のブランド名は、熊野の那智大社に由来しています。

ロボット分野では、2013年に中国での生産を開始しました。特に自動車製造ライン向けの産業用ロボットに強く、高速で高精度な動作を実現しています。
耐久性にも優れており、多くのユーザーに信頼されています。

セイコーエプソン株式会社(Seiko Epson Corporation)

セイコーエプソンは1942年に前身となる有限会社大和工業として創業され、現在は長野県諏訪市に本社を構えています。1985年に、セイコーエプソン株式会社に社名変更しました。

もともとは自社の時計製造に必要なロボット技術の開発から始まり、1983年より産業用ロボットの外販を開始しました。中でも水平多関節型(スカラ)ロボットは世界的に有名で、13年連続で世界シェアNo.1を維持しています。
精密さと高速動作に優れており、電子部品の組立や部品の配置などで広く活用されています。

ヤマハ発動機株式会社

1955年に現在のヤマハから独立し、ヤマハ発動機としてバイクを製造する企業として出発しました。本社は、静岡県磐田市にあります。

産業用ロボット分野には、社内用に開発していた産業用ロボットを1976年より販売開始する形で参入しました。
同社は表面実装関連設備(SMT)の分野に強く、SMTラインにおける主要な工程にある生産装置をすべて手掛ける総合的なソリューションを提供しています。

株式会社ダイヘン(DAIHEN Corporation)

株式会社ダイヘンは1919年に大阪変圧器株式会社として設立され、1985年に現在の社名へと変更されました。本社は、大阪府大阪市にあります。

1979年に溶接機器の技術を応用し、溶接ロボットを開発しました。以来、溶接用途に特化したロボットを数多く提供しており、アーク溶接ロボットの分野では世界トップクラスとされています。
高い溶接精度と耐久性が、多くの現場で評価されています。

株式会社デンソーウェーブ

株式会社デンソーウェーブは、2001年に以下の部署と会社が合併する形で株式会社デンソーの子会社として愛知県知多郡阿久比町で設立されました。

  • 株式会社デンソーの産業機器事業部
  • システム機器株式会社
  • 株式会社デンソーシステムズ

なお、デンソーの産業機器事業部はQRコードの開発元として知られています。

1960年代後半からロボットの開発に着手し、1985年には本格的に実用化、1992年から販売を開始しました。
独自の製品開発による、高い性能と信頼性が評価されています。

【海外】主な産業用ロボットメーカー

日本国外にも、世界中で高い評価を得ている産業用ロボットメーカーが多数存在します。これらのメーカーの製品ラインナップや技術的特徴を理解することは、グローバルな視点での比較検討に役立ちます。

Stäubli International AG(ストーブリ)

Stäubli International AGは1892年、スイスで繊維機械の修理工場として設立された歴史ある企業です。「ストーブリ」は創業者の名前に由来しており、日本の本社は大阪府大阪市にあります。

同社の主な商品は6軸多関節ロボットやスカラロボットとなっており、高い技術力を持っています。クリーンルームから厳しい環境条件まで対応する製品を取り揃えている点が特徴で、多様な産業環境に対応できる汎用性の高さが強みです。

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SIASUN Robot & Automation Co., Ltd.(サイアサン)

SIASUN Robot & Automation Co., Ltd.は、2000年に中国で設立された中国最大級のロボットメーカーであり、正式名称は「沈阳新松机器人自动化股份有限公司」です。

同社は6軸多関節ロボットから移動ロボット、清掃用ロボットまで多彩なロボットを製造しており、幅広い製品ラインナップが特徴です。
協働ロボットにも力を入れており、2014年にDUCOという協働ロボット専門のブランドを立ち上げ、新しい分野への積極的な取り組みを見せています。

Universal Robots(ユニバーサルロボット)

Universal Robotsは、2005年にデンマークで設立された協働ロボットのパイオニア企業です。同社が2008年に発売したUR5が世界初の商用化された協働ロボットとされており、この分野における先駆的な役割を果たしました。

2015年に米国の自動検査装置を開発・製造する企業であるテラダインに買収され、技術開発を継続しています。
現在も協働ロボットを中心にした製品ラインナップを展開しており、協働ロボット市場でのリーディングカンパニーとしての地位を維持しています。

Techman Robots(テックマンロボット)

Techman Robotsは、2015年に台湾で設立された比較的新しい企業です。台湾を拠点とする唯一の協働ロボットメーカーであり、ノートPCメーカーであるQuanta Groupの子会社です。
グローバル展開に積極的で、中国、ヨーロッパ、日本、韓国、東南アジアに100箇所以上の販売代理店を持つ充実したネットワークを構築しています。

技術面では世界初のAIビジョン標準搭載型協働ロボットを発表し、革新的な製品開発を行っています。

Doosan Robotics(ドゥーサンロボティクス)

Doosan Roboticsは、2015年に韓国のDoosanグループが設立した協働ロボットメーカーです。Doosanグループは韓国の重工業を中心とした企業グループであり、その技術基盤が同社の強みです。
日本市場においては住友商事マシネックスが販売代理店を務めており、国内での展開も積極的に行われています。

同社の協働ロボットは高性能でありながら、簡易な操作性を実現していることが大きな特徴となっており、多くのユーザーから評価されています。

まとめ

産業用ロボットは、今や製造現場の生産性向上や人手不足解消に欠かせない技術です。

世界市場ではファナックやABB、安川電機、KUKAが大きなシェアを持ち、それぞれが特徴ある製品群を展開しています。日本国内にも川崎重工や不二越をはじめとする信頼性の高いメーカーが存在し、各社ともグローバル市場で存在感を放っています。

産業用ロボットの導入を検討する際は、用途や環境、サポート体制などを総合的に比較し、自社に最適なロボットを選ぶことが重要です。

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ALFIS(アルフィス)について
ALFIS(アルフィス)について

私たちアルフィスはベルトコンベヤ部品の国内リーディングカンパニーのである株式会社JRCの新規事業として2018年に生まれた、ロボットSIer(システムインテグレーター)の事業ブランドです。

中小企業をはじめとした、「製造業」と「研究ラボ」における人材不足、生産性・品質・精度の不安定さ、過酷・危険・煩雑作業の課題を、産業用ロボット協働ロボットの活用によって解決し、確かな成果を挙げる「ロボット導入・ロボット化・自動化のトータルソリューション」をご提案します。

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