工場には様々な生産設備が導入されており、その設備を組み合わせることによって生産ラインが形成されています。また生産ラインなど生産・加工設備以外にも制御設備やデスクワークを行う事務所、休憩室なども存在します。これらの設備に効率よく電気が供給されるようにする作業を電気設計といいます。
また工場における電気設計は、一般住宅に比べ規模が大きいうえに施設によって異なる特性を持っています。そのため、設計やメンテナンスには専門的な知識と経験が必要となっています。
電気設計の基本「シーケンス制御」とその種類
電気設計を行う事によって、機械設備に行わせる動作や順序を記憶させることを自動制御といいます。その中でも決められた手順に沿って設備を動かすものをシーケンス制御と呼んでおり、工場内における各設備の連動には必要不可欠となっております。
シーケンス制御とは
あらかじめ定められた順序,または一定の論理によって定められる順序に従って,制御あるいは処理の各段階を順次進めていく制御.シーケンスを進める論理が時間のみの関数で表現される時間駆動型と,外部入力信号の関数で表現される外部事象駆動型の二つがある.これらの論理は専用言語を用いてプログラムとして記述され,プログラマブル制御装置などで実行される.複数の自動設備間の動作の同期や自動設備内の複数の駆動源の駆動順序の制御などに広く用いられている.引用元:一般社団法人日本機械学会 機械工学事典
https://www.jsme.or.jp/jsme-medwiki/doku.php?id=13:1004894
シーケンス制御は使用する機器の種類により、「有接点シーケンス」「無接点シーケンス」「PLCシーケンス」という3種類に分けられます。
有接点シーケンス
有接点シーケンスは、電磁継電器などの有接点リレーをスイッチとして利用し制御する方式で、リレーシーケンスとも呼ばれています。他の方式に比べて過負荷耐量や開閉負荷容量が大きく、電気的なノイズに強いといったメリットがありますが、機械的な接点のため動作が遅いというデメリットもあります。また他の方式に比べアナログな作りのため、動作状態の確認は簡単ですが、外形が大きくなったり、接点の摩耗などの影響で定期的な部品の交換が必要になっています。
無接点シーケンス
無接点シーケンスは、ダイオードやトランジスタ、ICなどの半導体論理素子をスイッチとして利用した制御方式で、ロジックシーケンスとも呼ばれています。電圧の高低や電流の方向などで回路や信号の切り換えを行っているので、機械的な接点の摩耗がなく有接点シーケンスに比べて長寿命で動作速度も速いです。ただし製作が複雑なため、拡張や変更が容易ではありません。また過負荷耐量が小さい点や電気的ノイズに弱い点などのデメリットもあります。
PLCシーケンス
PLCシーケンスは、「プログラマブル・ロジック・コントローラ」で、略してPLCと呼ばれる装置によって複数のデバイスを同時に制御する方式です。デバイス同士をコンピューターによって管理するため、高度な連携も可能となってきます。またプログラムにて制御するので上記の方式に比べて、設定の変更や拡張、他工場に同じ設備を導入などが容易となります。PLCについては別記事にて紹介も行っていますので、こちらもご確認ください。
電気設計の安全面について
電気設計において、危険な要素をいかに排除できるか検討する作業は最も重要とされています。製造現場は非常に危険な場所であり、発生する事故は大きな怪我や命に関わることがあります。そのようなリスクを無くすためにも非常停止装置の設置や漏電を防ぐ電気設計を行う必要があります。
また電気設計によって設備のメンテナンスにおける負担を減らすことも製造現場の安全面を確保することに繋がります。
a接点とb接点について
電気設計における製造現場のリスク回避についてご紹介する前に、電気回路におけるa接点とb接点についてご紹介します。a接点は電流が流れていない時はOFF状態(接点が開いている)で、電流を流すことでON状態(接点が閉じる)にな接点です。a接点のほかにも「メーク接点」や「常開接点」とも呼ばれています。逆にb接点は電流が流れていない時はON状態(接点が閉じている)で、電流を流すことでOFF状態(接点が開く)になる接点です。「ブレーク接点」や「常閉接点」とも呼ばれます。
非常停止ボタンはb接点で
事故を防ぐための非常停止ボタンには、必ず「b接点」を使用します。「a接点」を使用しない理由としては、上記で紹介した通りa接点は開いている接点に電流を流す(スイッチを押す)ことで接点が閉じて非常停止を行います。しかし、この接点の間にゴミが入っていたり、電線が断線していた場合は非常停止ボタンが作動せず、大きな事故が発生する可能性があります。一方、b接点は非常停止ボタンを押せば接点が離れ、装置が停止します。そのため非常停止ボタンが作動しないというトラブルは発生しません。
ロボット設備における電気設計はロボットSler「アルフィス」にご相談ください
以上が画像認識に関する紹介でした。
ロボットを導入する際に、他の設備との連動や安全面を保証するために電気設計は必要不可欠な要素です。適切な電気設計を行う事でロボットの精度を高め、より効率的な生産プロセスを実現する事が可能です。
アルフィスでは、工場の人手不足・生産性の課題を解決するロボットSIerとして、使いやすく・導入しやすい、高品質なロボットシステムをご提供しています。
産業用ロボットの導入でお困りでしたら、ぜひ一度、アルフィスまでお問い合わせください。