ラダー図は、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)の制御に使用されるプログラム言語であり、リレー回路などの電気回路図に似た形をしています。
電気制御回路の設計に由来しており、制御対象の機器を、梯子の横棒に見立てた線でつなぐことでプログラムを構築します。
この形式は実際の配線図に近いため、元々電気制御などに携わっていた人にとって親しみやすいものとなっています。
一般的なPLCはラダー図を採用していることが多いため、シーケンス制御を用いた製造工程の自動化には必要不可欠なプログラム言語といえます。
ラダー図のほかに「ラダープログラム」と呼ばれることもあります。
PLC・シーケンス制御について
シーケンス制御は、機械設備等を電気制御回路によってあらかじめ定められた順序、手続きに従って自動的に動かすもので、工場内の自動化設備をはじめ、エレベーターや自動ドア等、さまざまな装置や設備に使われています。
引用元:厚生労働省 技のとびら
複雑な製造工程の自動化には、PLCによるシーケンス制御が必要不可欠です。PLCがどのような装置かについては、下記コラムをご確認ください。
しかし、ただPLCを設備に導入するだけで、自動化が完了するわけではありません。PLCに対してどのような制御を行うかという指示を送る必要があります。その指示に使用するのがラダー図です。
シーケンス制御にラダー図を用いるメリット
シーケンサーのプログラミングには、ラダー図の他にも「SFC方式」や「フローチャート方式」と言われるプログラム方法がありますが、ラダー図が最も多く使用されています。
その理由としては、リレー回路などの電気回路図に似ているので、元々リレー回路で電気設計を行っていた人は、理解しやすい言語になっています。
ラダー図にて使用する基本的な記号について
ラダー図にて使用される基本的な記号について簡単に説明していきます。
接点
接点とは、ラダー図上でスイッチのような役割をするもので、記号は以下のようになります。
ラダー図の中ではこの接点が多く使用されます。そのため、接点記号の上にX0やY1といったデバイス番号という英数字が書かれています。
このデバイス番号は、PLCの入力端子の番号でもあるため、必ず指定する必要があります。
また接点には、電流が流れると閉じる「a接点」と電流が流れると開く「b接点」が存在します。
このa接点・b接点について詳しく知りたい方は、下記のコラムをご確認ください。
コイル
ラダー図におけるコイルは、実際の電気制御におけるモータやセンサーなどといった電気を流すことで動作する機器を表します。
実際に電気が流れることはないので、仮想コイルと呼称されることもあります。
こちらのコイルにも先ほどの接点と同様にデバイス番号を指定する必要があります。
応用命令
応用命令はラダー図上で算術演算を行ったり、デバイスの値を転送する記号です。これらの様々な命令によりPLCにて複雑な制御が可能になります。
代表的な応用命令として、数値を足していくINCP命令やプログラムの最後に入れるEND命令などがあります。
応用命令はPLCメーカによって指令方法が異なる場合もありますので、詳細については導入されるPLCの取扱説明書や、開発ソフトウェアのヘルプ機能をご確認ください。
タイマ
ラダー図におけるタイマは、入力条件がONになっている時間をPLC内でカウントし、設定した時間が経過すると接点が動作するデバイスです。
PLCによるシーケンス制御では、必ずと言っていいほど導入されているデバイスです。
例えばコンベヤにて材料を流し、先端のセンサーが材料を感知するとコンベヤが停止する装置にもタイマは非常に有効的です。
上記の装置においてコンベヤの搬送中に粉塵が発生した場合、センサーが粉塵を感知し、材料が所定の場所に到達していない状態でコンベヤが停止するという誤作動を起こしてしまいます。
そのようなトラブルを防ぐ際にタイマが活躍します。
センサーが0.5秒感知した場合のみ、コンベヤを停止するようにタイマを設定することで誤作動を防止することができます。
ただタイマの使用も応用命令同様にPLCメーカによって異なりますので、ご注意ください。
ラダー図について まとめ
以上がラダー図に関する解説でした。
ラダー図の基本はリレー回路のイメージですが、応用命令やタイムなどの指定方法はPLCメーカの開発プログラムによって異なってきます。
詳細については導入されるPLCの取扱説明書や、開発ソフトウェアのヘルプ機能をご確認ください。
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