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パレタイズロボットとは?仕組みや特徴・導入について解説

パレタイズロボットとは?仕組みや特徴・導入について解説|JRC【ALFIS】

物流や製造業において、効率的な荷積み作業が求められる場面で「パレタイズロボット」が注目されています。
導入によって生産性や精度の向上が期待できるパレタイズロボットについて、仕組みや特徴、導入メリットなどを詳しく解説します。

パレタイズロボットとは?

パレタイズロボットとは、製品をパレット上に積み上げる荷積み作業を自動化するロボットです。
主に製造業や物流業で使用されており、人間が行っていた重労働や単純作業の代行を果たします。その効果として、労働環境の改善や業務効率の向上に貢献します。

パレタイズロボットは主に「垂直多関節ロボット」に分類されるロボットを採用しており、複数の関節を持つアームで滑らかな動きを実現し、大型で重量のある物も効率的に積載可能です。
重量物対応を重視するため、4軸タイプが一般的で、高速性よりも安定性を重視するのが特徴です。

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パレタイズロボットの仕組みは?

パレタイズロボットは、垂直多関節型と直交型の2種類に分かれます。

垂直多関節型のパレタイズロボットは複数の関節で構成されたアームが自在に動き、滑らかな動作が可能です。アームの付け替えでさまざまな材質の商品や資材を扱うことができ、プログラミングの変更で多彩なパレタイズに対応可能です。
繊細な動作が可能である一方、大型の重量物の扱いには向いていません。

直交型は動作がシンプルで、搬送範囲が限定的である場面や高さのある製品の積み重ねに適しています。
大型の重量物にも対応可能ですが、動きが限られるため多様なパレタイズに対応することはできません。また、設置には広いスペースが必要です。

パレタイズロボット導入のメリット

パレタイズロボットの導入は、人手不足解消や労災防止のための省人化に加え、作業効率の向上や費用削減などの多くの利点があります。
ここでは、パレタイズロボット導入メリットについて詳しく解説します。

人件費の削減

パレタイズロボットを活用して作業を自動化することで、省人化が実現できます。
特に人手不足が課題とされる物流や製造現場において、他の重要な業務に人員を配置できます。また、新たに作業スタッフを教育する手間や費用も軽減されるため、長期的な視点で大きな費用削減効果が見込めるでしょう。
垂直多関節型のパレタイズロボットは省スペースなためレイアウト変更の手間がかからず、繊細なパレタイズ作業に対応可能です。また、商品や資材の変更に伴う作業設定の変更にも対応します。

安全性の確保

パレタイズロボットが重量物の持ち上げや高所作業を代行することで、人の負担を大幅に軽減し、安全性を確保します。
これらの作業は人が行うと大きな負担がかかるため、事故や怪我のリスクを伴います。ロボットが代わりに行うことでリスクが低減され、作業環境の安全性が向上するでしょう。
さらに、高精度で安定した動作は、重い荷物の運搬時に発生しやすいケガや繰り返し作業による疲労も防げます。作業員は危険な工程から解放され、快適な労働環境が整います。

業務の効率化による生産性の向上

パレタイズロボットを導入することで手作業の荷積みを自動化でき、作業効率が飛躍的に向上します。自動化で作業のスピードが上がるため、製品の搬送から積載までの時間は短縮されます。
また、連続稼働が可能なため、人間のように休憩を取る必要はなく、生産性の向上につながるでしょう。
さらに、ロボットは作業を均一に行うため、余計な動作が少なく、時間管理も効率化されるという点がメリットです。

精度の向上

パレタイズロボットはプログラムされた仕様に基づいて動作するため、ミスが少なく安定した精度で作業を遂行します。人力での作業と違い、疲労や不注意によるエラーが発生せず、出荷ミスや誤配送を最小限に抑えられます。
また、正確な積み上げができるため、荷崩れのリスクも低減し、製品の品質を高水準で維持可能です。その結果、安定した品質管理が可能なため、企業の信頼性も向上するでしょう。

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パレタイズロボットを導入するポイントは?

パレタイズロボットの導入は、重量物の持ち運びや、高頻度での積み上げ作業を行う現場での活躍が期待されます。
最大限の効果を得るために、気を付けるとよいポイントについて解説します。

設置スペースの確保

パレタイズロボットの設置は作業領域を十分に確保した上で、その重量に耐えられる床の強度も必要です。例えば、重量物を扱う際には、ロボットの動作エリアを確保すると同時に、ロボットの重量に耐えうる基礎構造が求められます。
また、設置スペースが限られている場合でも、比較的狭いスペースに対応可能なコンパクトなタイプのロボットが存在するため、導入場所に応じた選択も可能です。
こうした事前準備を徹底することで、ロボットの効率的な運用を支え、作業のスムーズな進行を促進します。

適したタイプを選ぶ

パレタイズロボットには「ガントリー(直交型)」「多関節ロボット型」の2つのタイプがあり、作業内容に合わせた選択を行います。
ガントリー型は広い範囲での横方向の移動が得意で、多関節ロボット型は柔軟な動作が可能なため小さなスペースでも効果的に動けます。

またパレタイズはロボットを利用しない機械設置型もあり、それぞれ特長があります。導入現場の特性や生産ラインの設計を考慮し、それぞれの特長の比較検討が、効率的な運用につながるでしょう。

可搬質量が重要

パレタイズロボットの「可搬質量」とは、どの程度の重さの物を運べるかを示す重要な指標です。可搬質量が大きいほど重量物に対応できる一方で、装置が大型化するため、設置スペースや初期投資費用は増加する可能性があります。
作業内容に適した可搬質量を選ぶことは、効率的な作業を実現するために大切です。過剰なスペックを求めて余分な費用を発生させないよう注意しましょう。

適切な処理能力

パレタイズロボットの「処理能力」は、単位時間内に処理できるワーク数を示し、荷物の処理速度に直結します。
処理能力が高いほど効率よく荷物をさばけますが、作業のペースに比して処理能力が過剰だとオーバースペックによる余剰が生じることもあります。
そのため、作業量とペースに合った処理能力を持つロボットの選択で、適切な費用対効果の実現と運用費用の最適化につながるでしょう。

ハンドの種類

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パレタイズロボットのハンドには、主に「把持ハンド」と「吸着ハンド」の2種類があります。
把持ハンドは握ったり挟んだりするようにものを固定する仕組みで、吸着ハンドはエアーで固定する仕組みです。これらを含む複数の方法で固定する場合もあります。
選定時には、積載物の特性を考慮し、最適なハンドを選ぶことが重要でしょう。

また、ロボットが停止した場合や停電時でも、エアーや電気の供給が途絶えた際に荷物が落下しないよう、ハンドの吸着や把持を維持できる仕組みが必須です。
このような安全対策は、荷物の落下事故を防ぎ、作業の信頼性を高めます。

導入コスト・ランニングコスト

パレタイズロボットの導入には、ロボット本体の費用に加え、周辺機器・システム設計・設置工事費用もかかります。
また、定期的なメンテナンスや部品交換などの保守費用でかかるランニングコストも発生するため、事前に見積もっておくことが重要です。
一方、ロボットの導入で人件費削減や作業効率の向上が期待できるため、必要な費用と得られる効果を長期的に比較し、費用対効果のしっかりとした評価が求められます。

まとめ

パレタイズロボットとは、物流や製造の現場での積み上げ作業や重量物の搬送を支援するために設計されたロボットで、人手不足の解消や作業効率の向上が期待できます。
一方で、導入には設置スペースの確保・ロボットの種類・可搬質量・処理能力の選定、さらにハンドや導入費用に関する事前調査が重要です。
これらのポイントを考慮することで、パレタイズロボットは安全かつ効率的な作業環境を実現し、企業全体の生産性向上に貢献するでしょう。

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