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ロボットによる検査工程の自動化を実現する画像認識技術


ロボットによる検査工程の自動化を実現する画像認識技術

製造業において、品質を守るカギとなるのが検査工程です。検査工程では、外観検査や数量検査、性能・機能検査など、さまざまな検査が行われます。
この記事は、検査工程の重要性や自動化における課題、検査工程の自動化を実現する画像認識技術について解説します。

検査工程の重要性と課題

検査工程は、次工程へものを流す直前の工程であり、後工程でトラブルを起こさないためにも、高い精度で行う必要があります。特に、最終検査工程が不十分で不良品が流出した場合、納品先やユーザーからのクレームにも直結するため、重要な工程のひとつとなっています。
一方で、検査工程は熟練作業者による経験やカンに依存していることも多く、単純な作業を繰り返し行うことが多いため、体力的にも大変な仕事です。そのため、新しい人材の確保や作業者の育成が難しいといった課題もあります。
そこで、これらの課題を解決し省力化と品質向上を実現するため、多くの企業で検査工程の自動化が検討されています。

アルフィスでは、工場の人手不足・生産性の課題を解決するロボットSIerとして、使いやすく・導入しやすい、高品質なロボットシステムをご提供しています。
ロボットビジョンを使った検査工程の自動化は、ぜひ一度、アルフィスまでお問い合わせください。
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ロボットで検査工程を自動化するメリット

ロボットによる検査工程の自動化によるメリット

ロボットによる検査工程の自動化には、次のようなメリットがあります。

作業者の負担軽減と生産性向上

全数検査が必要な製品は、常に複数の作業者で検査を行います。特に外観検査では、製品の寸法や表面の傷を入念に確認する必要があるため、作業者への負担も大きくなる傾向にあります。
検査工程を自動化することで、作業者を他の工程に割り当てることが可能になり、作業者の負担軽減と生産性向上につなげることができます。

品質の安定化

外観検査では明確な数値目標がないことも多く、作業者ごとの検査のばらつきをなくすことは困難です。またおなじ作業者でも、疲労や集中力の低下の影響で、ばらつきが生じます。
検査工程を自動化することで、作業者による検査のばらつきがなくなり、検査品質を安定化することが可能です。

データの取得と活用

作業者による検査では、検査データを細かく取得することは困難です。目視で確認したものを文章化し、記録に残すことは現実的ではありません。
検査工程を自動化する場合、検査結果をデータで残すことが可能です。データを蓄積し、目的に応じて整理・分析を行うことで、統計的品質管理に役立てることができます。

統計的品質管理とは
統計的品質管理は、生産工程での各種数値や製品などの抜き取り検査で得られた情報を、統計的に処理することで、現在の生産工程の状態が正常範囲かどうかを見極め、何らかの異常が発生する危険性を事前に察知するのに役立つ方法です。

引用元:不良品を出さないための工程管理方法|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]

ロボットによる検査工程の自動化の課題

需要の高い検査工程の自動化ですが、実現に向けてはさまざまな課題があります。

多品種少量生産への対応

多品種少量生産の場合、種類ごとに検査のポイントが異なります。それぞれの検査基準を明確にした上で、それを自動判別できる状態に落とし込むためには多大な時間が必要です。
中小製造業の多くは、検査の自動化を阻害する要因として「多品種少量生産」「変種変量への対応」をあげています。

複雑な形状への対応

製造業ではさまざまな製品を扱うため、通常のカメラでは検出が難しいケースもあります。特に複雑な形状の製品は、カメラの死角になる箇所があるため、複数の画像にもとづいて検査を行う必要があります。
また一般的なカメラは、立体的なものを2次元でスキャンするため、製品の奥行きをうまく認識することができません。ワークの向きを変更するなどの対策を行えば問題ありませんが、課題として認識しておく必要があります。

検査工程の自動化を実現する画像認識技術

検査工程の自動化を実現する画像認識技術

検査工程におけるさまざまな課題を解決するために、3DカメラとAI(ディープラーニング)を用いた「画像認識技術」が活用されています。
複雑な形状の製品を検査するためには、ワークの奥行きを把握できる3Dカメラの活用が重要です。また、多品種少量生産への対応や、熟練作業者の検査精度を再現するためには、AI(ディープラーニング)の技術が活用されています。

AIを使用すれば、製品ごとに検査ポイントや判定基準を細かく設定しなくても、ある程度のデータ量があればAI自身が合格品・不良品を見分けられるよう学習するため、さまざまな品種に対応可能です。また、複数の製品を同時に検査することも可能になり、速度が必要な全数検査にも最適です。

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検査工程の具体的な自動化例

画像認識技術によって検査工程を自動化した、具体的な事例を紹介します。

梱包に傷や汚れがないかを検査

食品工場では、ロボットを使い食品を梱包・出荷します。人の手が入らない工程が多いことから、完成品の梱包時に、箱に傷や汚れがないかを確認する必要があります。
検査工程の自動化では、3Dカメラにより箱を立体的に捉え、撮影した画像をAIが分析することで傷や汚れを確認。これによって検査工程の人員を減らすことができ、ライン全体の自動化に大きく貢献します。

完成した靴に欠陥がないか検査

検査工程の自動化は「靴」のような複雑な形状の製品にまで広がっています。靴の完成品に対して、汚れや擦り傷、接着、また不規則な欠陥を、ディープラーニングを活用することでリアルタイムに検査・識別することが可能です。
事前のトレーニングも、少数の不良品サンプルがあれば実現できるため、少量多品種の検査にも対応できます。

検査工程の自動化は、ロボットSIer「アルフィス」にご相談ください

製造業のなかでも自動化が難しかった外観検査は、3DカメラやAI(ディープラーニング)を用いた画像認識技術の向上により、自動化が進んでいます。検査工程を含む人材不足は今後も続くと考えられるため、さらに高速・高精度の技術開発が進んでいくでしょう。

アルフィスでは、工場の人手不足・生産性の課題を解決するロボットSIerとして、使いやすく・導入しやすい、高品質なロボットシステムをご提供しています。
ロボットビジョンを使った検査工程の自動化は、ぜひ一度、アルフィスまでお問い合わせください。

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