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【食品業界】箱詰め作業の効率化|自動化導入のメリット

【食品業界】箱詰め作業の効率化|自動化導入のメリット

商品を業者に卸す場合、段ボールなどの箱に詰めて輸送します。商品の量にもよりますが、効率化しなければ多くの負担がかかるため、手順を工夫することは重要です。
そこで今回は、箱詰め作業を効率化するポイントについて、箱詰め作業の課題点とともに解説します。

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箱詰め作業とは

箱詰め作業とは、指定された段ボールなどの箱に商品を詰めていく作業のことです。化粧品・食品・飲料・書籍など取り扱う商品はさまざまですが、いずれも商品が破損しないように指定の箱に詰めていく必要があります。箱詰め作業はシンプルな業務ですが、ピッキングや検品などの作業が付随することも珍しくありません。付帯作業がある場合は、ピッキングや検品をした後に商品を箱詰めしていきます。

箱詰め作業が持つ現状の課題

現在、箱詰め作業を要する企業は様々な課題を抱えていますが、課題の例として以下の点が挙げられます。

  • 人手不足が発生している
  • 作業者への負担が大きい
  • 付帯する作業が多い
  • 人的ミスが発生しやすい

以下では、それぞれの課題点について詳しく解説します。

人手不足が発生している

人手不足に悩んでいる企業は少なくありません。人手不足が発生している要因としては、箱詰め作業は疲労が溜まりやすく体力が必要なため、人員が定着しにくいからです。箱詰め作業は、指定の箱に破損しないように商品を詰めていくシンプルな仕事です。しかし、同じ作業を繰り返すため、従業員の疲労が溜まりやすいという特徴があります。加えて、飲料など商品によってはかなりの重さになるため、仕事が続かなかったり求人を出しても応募が少なかったりする傾向にあります。

作業者への負荷が大きい

作業者への負担が大きいという課題点もあります。なぜなら、同じ作業を繰り返すため、疲労が溜まりやすく、集中力が切れやすいからです。作業者への負担が大きいと、作業効率が低下したり、人員が定着しなかったりという問題が起こります。

付帯する作業が多い

付帯する作業が多い点も課題です。
箱詰め作業の多くは、箱詰め作業のみではなく検品やピッキングなどの作業が付帯していることが多いです。このような付帯作業は従業員の負担となり、箱詰め作業の効率低下に繋がってしまうのです。

とはいえ、ピッキングのみや検品のみ、箱詰め作業のみと業務を分けてしまうと、その分の人手や人件費が必要となることから、多くの企業が複数の作業を同時並行しています。

人的ミスが発生しやすい

人的ミスが発生しやすいという課題点もあります。
箱詰め作業は人の手で行うと、向きの間違いや内容物のミス、異物混入といった人的ミスが発生しやすい業務です。どんなに注意を払っていても、連続作業で集中力が低下していたりすると、そういったトラブルが起こる可能性があります。
人の手で行う以上、人的ミスは避けられません。ダブルチェックをするなど、人的ミスを予防する施策を立てることは必要不可欠です。

箱詰め作業を効率化するには

ここまでご紹介したとおり、箱詰め作業には多くの課題があります。とはいえ、箱詰め作業を効率化させることで、改善できる課題がいくつもあるのもまた事実です。

そこでここからは、箱詰め作業を効率化させるポイントについてご紹介します。

問題点についてまとめる

箱詰め作業を効率化するためにまずすべきことは、問題点についてまとめることです。
箱詰め作業が効率的にできないことには、何かしらの原因があります。その原因を見つけ出し、原因ごとに適切な対処をすることで効率化ができるのです。
箱詰め作業の問題点は様々ですが、主な問題点としては人手不足や人手不足による従業員1人当たりの負担の増加、付帯作業の増加などが挙げられます。これらの問題点をまとめることで、改善策を見つけやすくなります。

動線を見直す

動線を見直すことで作業の効率化が行えます。
箱詰め作業の効率を妨げる原因として、無駄な動線が多いことが挙げられます。例えば、資材や緩衝材置き場が作業場所から離れすぎていたり、作業場所と梱包したものの保管場所が離れているなどの場合、動線を見直すことで作業時間が削減できます。商品や資材、緩衝材を取りに行くまでの流れ、箱詰めした商品を保管場所に持っていくまでの流れを見直し、必要に応じて改善しましょう。

設備や資材を見直す

設備や資材を見直すことも効率化に繋がります。
例えば、箱詰めする箱と資材の大きさがあまりにも異なっている場合、緩衝材をたくさん入れなければなりません。緩衝材をたくさん使うことはコストがかかるだけではなく、梱包がスムーズにできず、箱詰め作業に時間を要してしまいます。

また、ワンタッチ式のダンボールやテープが付いている箱を使えば、その分箱詰め作業が楽になって効率化できます。このように、設備や資材を見直すだけで作業時間の大幅な短縮ができる可能性があります。

人員を増やす

人手不足が問題となっている場合は、人員を増やすことで効率化を図るという方法が有効です。出荷量に対して明らかに人手が足りていない場合、人員を増やすと一気に作業効率が上がるでしょう。どんなに作業が早い従業員がいても、出荷量に対して人員が少なすぎると作業ペースは上がりません。一人ひとりのキャパは決まっているため、人手不足解消には人員を増やすことが一番の解決策です。人が入っても続かない場合は、環境整備を行う必要もあるでしょう。

作業をマニュアル化してミスを減らす

人的ミスが課題となっている場合は、作業をマニュアル化することでミスを減らせます。ミスをする原因は様々ですが、作業をマニュアル化することで初歩的なミスを減らせます。
ミスは、業務を増やしたり全体の作業効率を下げる要因です。ミスが発生しやすい箇所を確認したり、作業をマニュアル化してミスの削減に努めましょう。

ロボットケーサーを導入して自動化する

ロボットケーサーを導入して自動化する方法もおすすめです。ロボットケーサーとは箱に詰める作業を自動化するロボットのことです。ロボットケーサーを導入して自動化すれば、人員不足や人的ミスを改善できるだけではなく、作業の効率化ができます。
ただし、ロボットケーサーは、機器ごとに対応している役割が異なります。テープ貼りなど他の業務に対応させようとすると、多くの機器が必要となる場合もあるため、事前の確認が必要です。
なお、ロボットケーサーについては以下で詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。

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【食品業界】箱詰め作業にロボットケーサーを導入するメリット

食品業界において箱詰め作業にロボットケーサーを導入することには、以下のメリットがあります。

  • 複雑な(数多くの食品のSKUに対応できる)の詰め方に対応できる
  • 食品箱詰めに求められる、多くの製品や段ボールのサイズに対応可能

まず、ロボットケーサーを導入することで複雑な詰め方に対応できます。例えば、1段ごとに互い違いになるよう向きを変える、合紙(間紙)をはさむなど複雑な工程にも対応することができます。人の手で対応する場合は、負担が増えてしまい効率が下がりますが、ロボットケーサーであれば安定して作業できます。
また、ハンドツール等のユニット交換を行えば、様々なサイズの製品や段ボールに対応できるため、汎用性が高いことも特徴です。

食品業界・飲料業界で箱詰め作業を効率化するポイント

食品業界や飲食業界において、箱詰め作業は人手が多くかかる工程です。前述の通り、人手不足や作業者の負担が大きいことは効率化を妨げる要因です。
そこで、箱詰め作業を効率化するために抑えておきたいポイントをご紹介いたします。

ECRSの原則を意識する

食品業界や飲食業界で箱詰め作業を効率化させるためには、ECRSの原則を意識しましょう。
ECRSとは、Eliminate(排除)・Combine(統合)・Rearrange(順序入れ替え)・Simplify(簡素化)の頭文字を取った言葉で、業務改善を行うための順番と視点を示した言葉です。

具体的に業務の効率化を図る際の検討は、
まず、Eの排除から考えます。
つまり、その業務をなくせないかどうかを1番最初に考えます。
次に、Cの結合です。いくつかの業務を1つにできないかを考えます。
さらに、Rの交換になります。
業務の順番を入れ替えたり、方法を変更して業務を効率化できないかを考えます。
最後に、Sの単純化です。
業務の単純化・簡素化を考えます。
順番は、Eliminate(排除)が業務改善の効果が大きく、Combine(結合)、Rearrange(交換)、Simplify(単純化)へと業務改善効果が少なくなっていくので、業務改善効果が最も大きいEliminate(排除)から、まず、検討をしていきます。

引用元:業務改善のフレームワーク ECRSの原則|税理士法人 林総合事務所

また、マニュアルを作成することもポイントです。マニュアルを作成することで、教育コストが減り、スタッフの成熟度に新人の成長が左右される心配もありません。

自動化で生産性を向上する

食品業界や飲食業界において、箱詰め作業と一言でいってもその作業は多岐にわたります。
箱詰めラインのワーク供給からはじまり、食品ほかの包装前検査・計量・包装・包装後検査・小箱包装を経て、箱詰め作業を行います。
これらの工程を効率化するためには、省人化と自動化をいかに進めるかが肝心です。オートケーサーやロボットケーサーなど、ロボットを活用することは有効な方法の一つです。

作業工程ごとに効率化する

箱詰めライン全体の自動化が進めば、作業効率は飛躍的に上がるでしょう。しかし、そのためには多額の費用がかかります。
そのため、箱詰めライン全体ではなく、1つ1つの工程に着目して省人化や自動化を進めます。人の手で行うには煩雑な作業や、人員が不足している工程からの検討がおすすめです。
異物検査や金属検出などの工程では、機械やカメラを活用することで、より正確で短時間に処理が進みます

【まとめ】食品の箱詰め作業を効率化する

箱詰め作業にはさまざまな課題点がありますが、課題を把握して適切に対処することで業務の効率化が図れます。ロボットケーサーを導入して人員不足や人的ミスを解消する方法もおすすめです。これまでにご紹介したポイントを踏まえ、箱詰め作業の効率化を図りましょう。

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私たちアルフィスはベルトコンベヤ部品の国内リーディングカンパニーのである株式会社JRCの新規事業として2018年に生まれた、ロボットSIer(システムインテグレーター)の事業ブランドです。

中小企業をはじめとした、「製造業」と「研究ラボ」における人材不足、生産性・品質・精度の不安定さ、過酷・危険・煩雑作業の課題を、産業用ロボット協働ロボットの活用によって解決し、確かな成果を挙げる「ロボット導入・ロボット化・自動化のトータルソリューション」をご提案します。

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