物流業界においてパレットは荷物の荷扱い、移動、保管、管理を効率的に運用するために必要不可欠なものです。しかし、入荷した商品をパレットに積みつけるパレタイズを誤った方法で行ってしまうと荷崩れなどのトラブルに繋がってしまいます。
今回はパレタイズを行う上での基本的な注意点や、より効率的にパレタイズを行う上で使用されている6つのパレットパターンを紹介したいと思います。
パレット
木製・樹脂・ダンボール素材などので出来た物品の荷扱い・移動・保管するための荷役台。フォークリフトなどの差込口を有していて物品を単位数量にまとめて載せる。標準的な平パレ・ボックスパレット・ポストパレット等があり、その寸法は包装モジュール寸法(JIS Z0105)に準拠したものとなっている。
パレタイズ
パレタイズとは、入荷した商品を保管のためにパレットに積み付けることです。引用元:一般社団法人 日本冷蔵倉庫協会 覚えておきたい用語集https://www.jarw.or.jp/know
パレタイズを行う上での基本的な注意点
パレタイズが原因で発生するトラブルで代表的なものが荷崩れです。
荷崩れを起こすと商品が傷んでしまうだけでなく、最悪の場合、運搬トラックの事故などに繋がる可能性もあります。
その荷崩れを起こさないためにも下記のことには最低限注意する必要があります。
- 重い荷物は下に置き、軽い荷物は上に置く
- 重しになる荷物を最後に上に乗せる
- 荷物の角の部分が空中にはみ出た状態(オーバーハング)にならないようにする
逆にすると軽い荷物が重い荷物に潰され、全体のバランスが崩れます。
上の荷物が軽い場合は、例外として荷物がつぶれない程度の重めの荷物を一番上に乗せます。理由としては、重しがないと強風や横揺れで落下してしまう可能性があるためです。
はみ出た部分が上からの圧力で潰れ、全体のバランスが崩れてしまいます。
6個のパレットパターンとその特徴
パレットパターンとはパレットに荷物を積む際の並べ方の事をいいます。
パレットパターンの種類は多く、それぞれに特徴やメリットが異なります。
安定し、また積載効率の良いパレタイズを行うためには、荷物にあったパレットパターンを選択する必要がございます。
ここでは代表的なパレットパターンとその特徴を紹介していきます。
ブロック積み
ブロック積みとは、荷物を同じ方向に並べた積み方で、「平積み」と呼ばれています。
シンプルな特徴であるため、デパレタイズの際にも縦にまとめて荷物を取り出すことができ、生産性が向上につながるというメリットがあります。
一方で同じ荷物を同じ向きで積み重ねる棒積みのため、横方向の力に弱いデメリットもあります。
パレット自体を移動させない運用であれば問題ありませんが、フォークリフトやトラックで運搬するパレットでは避けた方が良い積み方です。
交互列積み
交互列積みは、1段目は横向き、2段目は縦向き、3段目は横向きといったように段ごとに向きを90度変えて積み上げる方法です。
この方法は前述のブロック積みと異なり棒積みではないため、横向きの力に強いというメリットがあります。しかし、荷物の形が正方形だと棒積みになってしまうなど限られたサイズの荷物でしか使えないといったデメリットもあります。
レンガ積み
レンガ積みは、1つの段で荷物の縦と横の向きを変えて積み上げる方法です。また積み上げるごとに段の向きを180度反対に回転させます。
前述の交互列積み同様に棒積みではないため、横向きの力に強く、多少の振動では荷崩れしません。また全ての荷物が外側から見えるため検品がしやすいというメリットがあります。
窓積み
窓積みは、レンガ積みの横向き部分を2列に増やした積み上げ方法で、積み上げる際もレンガ積み同様に各段で180度回転させて重ねて行きます。
レンガ積み同様に荷崩れしにくいことや、全ての荷物が外側から見えるため検品しやすいというメリットがあります。
ピンホール積み
ピンホール積みは荷物を風車の形のように縦横に組み合わせた積み方です。その形から「風車積み」と呼ばれることもあります。
中央に空気の通り道ができることから、冷蔵倉庫や低温輸送などで荷物を一定温度に保ちたい場合にとても効果的です。
一方で中央に隙間が出来てしまうため、積載率が下がってしまうというデメリットがあります。
ダブルピンホール積み
ダブルピンホール積みは、ピンホール積みの発展型で、中央の隙間部分を2つにした積み方です。
上記のピンホール積みの一つの荷物を起点に、もう一つピンホール積みを行い、残った角の部分に荷物を置きます。
ピンホール積みの中央に空気の通り道ができることから、冷蔵倉庫や低温輸送などで荷物を一定温度に保てるメリットに加え、ピンホール積みでの課題点であった積載率も解決できます。
しかしその分積み方が複雑なため、手作業で行う際は生産性が落ちてしまう事が懸念されます。
パレットパターンについて まとめ
以上がパレタイズの注意点とパレットパターンの紹介でした。
上記で紹介したもの以外にもパレットパターンは存在しますので、取り扱っている荷物に適したものを探してみましょう。
またロボットを用いたパレタイズにおいても、パターンを記憶させることは可能です。
ダブルピンホール積みのような複雑で人の手で行うのが難しいパレタイズもロボットを利用する事で効率的に行うことが出来ます。
また今回紹介した電磁弁を含めたトータルソリューションにも対応いたします。
工場の自動化をご検討の際は、ぜひ一度、アルフィスまでお問い合わせください。