製造業ではさまざまな業界で人手不足が課題となっており、工場の自動化に向けて、産業用ロボットの導入が急速に進められています。食品業界もその業界のひとつです。
食品工場の人手不足は顕著で、自動化のニーズは高いものの、他の業種に比べると産業用ロボットの導入はなかなか進んでいません。これには、食品工場の特有の課題が大きく影響しています。
この記事では、食品工場における自動化を進める上での課題と、食品工場の自動化に向いているロボットについて解説します。
食品工場の自動化を進める上での課題
人手不足解消が急務の食品工場ですが、その自動化がなかなか進まないのは、いくつかの課題があるためです。そのなかでも代表的な課題を紹介します。
近年、食品製造業の人手不足・人材不足の問題が深刻化しており、生産性の向上が急務となっています。
しかしながら、どのように生産性を向上させ、またそのための課題にどのように取り組むかを各企業が独力で見つけ出すのは非常に難しい状況です。
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食品工場における、多品種少量生産への対応
食品工場の形態は、レトルト食品のように「大規模な食品工場」でまとめて生産するものと、賞味期限内に消費するために「中小規模の食品工場」で、その地域の消費分だけを製造するものに分かれます。
大規模な食品工場では、既に特定の専用設備やロボットが導入され、自動化が進んでいます。一方で、中小規模の食品工場では、多品種少量生産が多く、従来の産業用ロボットでは費用対効果が合いません。
生産ラインの変更を、柔軟かつ効率的に行うことができるロボットが、必要とされています。
食品工場における、作業スペースの確保の問題
中小規模の食品工場では、スペースに対して作業効率を上げる必要があるため、作業者同士の距離が近くなっています。ロボットを導入しようとすると、安全性確保のため、従来の生産ラインを大きく変える必要があり、場合によっては工場内に必要なスペースがなくなってしまうことも考えられます。
生産ラインを変更せずに自動化を実現するためには、人の作業スペースにそのまま配置できる、安全なロボットが必要とされています。
食品工場は、ロボットが苦手とする作業が多い
食品工場のなかには、さまざまな工程があります。食品の異物混入検査や完成検査、包装・出荷に向けた搬送などは、他の製造業における工程と大きく変わりません。これらの工程のなかには、既に自動化が進められているものもあります。
しかし、肉や野菜などの食材を扱ったり、製造した食品を盛り付けたりする作業をロボットで行うのは困難です。ロボットは、やわらかいものやひとつひとつ形が異なるものを扱うことが苦手なため、人と同等レベルの作業ができず、導入の障壁となっています。
また、水産加工などでは水や塩分を常に扱うことになります。他の産業では問題なく導入できる場合でも、塩水の影響により部品の劣化が速くなるため、耐久性が大きく低下する可能性があります。
食品工場のロボットによる異物の混入リスク
食品工場へロボットを導入するリスクのひとつに、異物混入があげられます。食品を扱っている最中に、ロボットの剥がれた塗装が混入してしまうリスクを懸念する声もあります。また、メンテナンスに使用する油なども異物混入リスクのひとつです。
人が作業をする場合も、髪の毛などの異物混入リスクはありますが、長年の経験で対策がある程度明確になっているため、リスクを抑えることが可能です。一方で、比較的新しいロボットの場合では、対策が十分に把握できず、導入をためらう大きな理由になっています。
食品工場でのお手本がないためさらに導入が進まない
産業用ロボットに限らず、新たなツールや仕組みを導入する場合、前例となるお手本が重要となります。
お手本があることで、「費用対効果は十分か?」「どのようなメリットがあるか?」などを検討することができます。また、事前にリスクを想定できるため、その対策を自社で考えたり、お手本の企業に相談したりすることも可能です。
食品工場では、業界における自動化が進んでいないため、自社で導入を検討する際に、参考にできる企業がほとんどありません。導入してはじめて致命的な課題が発覚するリスクを考慮すると、導入に踏み切れない企業が多いでしょう。
食品工場の自動化に最適なロボット
食品工場の自動化の課題を解決し、食品工場の人手不足を解消するため、多くのメーカーがロボット開発に取り組んでいます。
多品種少量生産への対応や、狭いスペースに対しては、安全柵が不要で人と一緒に働くことできる「協働ロボット」が開発されています。ダイレクトティーチングによって、作業を覚えさせるのも従来よりかんたんになっています。
また、ロボットが苦手とする食品工場での作業を効果的にこなすために、人間の触覚にあたる力覚センサを用いて、情報をフィードバックできるものがあります。食品にあわせたロボットハンドが開発され、これらは用途に応じて使いわけられています。
異物の混入に関しても、ロボット本体の定期的なメンテナンスを実施することに加えて、塗料が剥がれにくいコーティングなどが開発されており、リスクが低減されています。
今後、これまでの課題がひとつづつクリアできていければ、食品工場においてもロボットの導入が進み、前例を参考にしながらさらに導入企業が拡大していくでしょう。
食品工場のロボットの導入は、ロボットSIer「アルフィス」にご相談ください
食品工場は、深刻な人手不足に陥っていながら、その自動化はまだまだ進んでいません。そこには、中小規模の工場が多く、不定形で多品種少量生産を行うといった、食品業界特有の要因があります。近年、協働ロボットなどの開発も進み、食品にあわせたロボットハンドも開発されているため、今後は導入が拡大していくでしょう。
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